ヤマザキマザック工作機械博物館（館長：長江昭充、所在地：岐阜県美濃加茂市）が収蔵する工作機械2台が、産業遺産学会より「推薦産業遺産」に認定されました。

産業遺産学会（会長：横山悦生氏、所在地：東京都中央区）は、各時代の産業の姿を伝える遺物・遺構など、歴史的価値がある遺産の保存運動を推進する学会です。（産業遺産学会URL：http://sangyo-koukogaku.net/index.html）

推薦産業遺産制度は、保存を必要とする重要な産業遺産を認定する制度であり、1985年の制度開始以降、これまで120件が認定されています。

この度、当館が所蔵する「ベルト掛け山崎旋盤」ならびに「ベルト掛け平削り盤」が、推薦産業遺産に認定されました。

工作機械が推薦産業遺産に認定されたのは今回が初めてです。いずれも歴史的価値がある希少な工作機械であり、かつ動態保存されている点が高く評価されました。

当館では今後も、歴史的な工作機械の保存・展示ならびに「人々の暮らしと工作機械との関わり」や「工作機械の進化」の紹介を通して、子供たちにモノづくりの大切さや楽しさを伝え、次世代の製造業を担う人材の育成に貢献してまいります。

推薦産業遺産に認定された所蔵品について

1.ベルト掛け山崎旋盤（山崎鉄工所製）

旋盤とは、丸い材料を高精度に加工するために用いられる工作機械です。当館に展示されている山崎旋盤は、ヤマザキマザック株式会社（旧山崎鉄工所）が創業初期に手掛けた工作機械です。機械剛性と切削精度を保つための工夫が凝らされている点に技術的価値が認められ、推薦産業遺産に認定されました。

製造会社：山崎鉄工所（現ヤマザキマザック）
製造国　：日本
製造年　：1927年

2.ベルト掛け平削り盤（グールド社製）

平削り盤とは、材料の平面を高精度に削るために用いられる工作機械です。当館に展示されているグールド社の平削り盤は、日本国内に現存する最も古い平削り盤の一つです。製造会社・製造年が明確である点において、世界的にも希少価値の高い工作機械です。150年以上前の工作機械が動態展示されている点などが高く評価され、推薦産業遺産に認定されました。

製造会社：E.GOULD＆Co.（グールド社）
製造国　：米国
製造年　：1860年